レクサスカード特約店のゴルフ場が名コースである理由を、著名なゴルフ・ジャーナリスト、西澤忠が自身の体験に基づく豊富な知識で論じます。
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特選ゴルフコース論

美らオーチャードゴルフ倶楽部

文・西澤忠(にしざわ ただし/ゴルフ・ジャーナリスト)

前夜、宿泊したホテルのオーシャンビューも素晴らしいが、目前にある美らオーチャードGCからも海を望める。創設以来40年を越す伝統あるコースは沖縄ではトーナメント・コースとして知られる。

ティーから望む東シナ海の風景

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沖縄のゴルフ行脚で大好きなのはプレー中に見えるエメラルド色の海。珊瑚礁の浜に寄せる白波と深い藍のコントラストがいかにも“オキナワ”だから。

那覇の空港から沖縄中部を目指すドライブで、島の中央を貫く沖縄自動車道の高速道利用は便利で速い移動になるが、時間に余裕があれば海寄りを走る国道58号が愉しい。丘と海が接近する沿岸のドライブは目先が変化するパノラマの世界。奇岩と東シナ海の景色はいかにも南洋だ。事実、恩納村の海岸は海水浴やマリンスポーツのメッカで、リゾート・ホテルが建ち並ぶ。そこに至る途中の読谷村の海浜はあの71年前の沖縄戦で6万の米軍が本土初上陸した悲劇の地で、戦争と平和について感慨無量な気持ちからなぜか無口になってしまうが。

前夜、宿泊したホテルのオーシャンビューも素晴らしいが、目前にある美らオーチャードGCからも海を望める。創設以来40年を越す伝統あるコースは沖縄ではトーナメント・コースとして知られる。創設時は大京CCの名で、男子ツアーの最終戦を16回も開催した。シーズン最後を飾る試合はツアー選手のシード権を争うゲームとして有名で、優勝争いとは別な興奮を呼んだものだ。

日本プロゴルフ協会の第2代理事長(現・会長職)も務めた浅見緑蔵プロと竹村秀夫コンビの設計は丘陵の高低差を戦略に活かすレイアウトで、砲台グリーンに接するバンカーが深いことでも有名。ホール配置も絶妙で、アウト5番、インでは15番で敷地内の高い場所のティーに至り、海を遠望できる仕組みになっている。海抜50メートル弱の高みからフェアウェイ越しに見る東シナ海は平和な風景で、悪いスコアを忘れさせてくれる。

スコアメイクの命題はなんといってもグリーンで、高麗芝グリーンは傾斜と芝目が複雑で、難渋する。グリーンの奥に芝目の方向を矢印で指示する看板が立つが、ラインが読みづらい。この日のグリーンは3.8ミリカットで、スティンプメーターの速さは8.6フィートとの表示があった。しかし、旗の奥に乗った場合、下り傾斜の順目になり、恐らく11フィートくらいの速さになるだろう。ボールを撫でただけでカップを大オーバーするのだから、しまいには頭が混乱し、まるで悪女の嫌がらせを受けているような気分になる。関東エリアのゴルフ場に高麗芝グリーンは少なくなったものの、春まだ浅い季節の高麗芝グリーンはマスターズを行うオーガスタ・ナショナルGCの“ガラスのグリーン”に匹敵するだろう。

そんな迷路でパズルを解くようなゴルフで、最終18番ホール(335ヤード・パー4)を迎えると、度胸が据わるというか一か八かの勝負をしたくなる。打ち下ろしで、窪地の先にあるグリーンへ1オンを狙いたくなる距離だからだ。プロツアーでもシード権争いの選手が果敢に挑戦したもの。

アマチュアの名手・中部銀次郎は「すべてのストロークは等価である」と名言を残した。スタート1番のティーショットもホールアウトする最後のパットもワンストロークに変わりはないのは分かるものの、最終ホールの1打に勝負を賭けたくなるのがヘボ・ゴルファーの悲しい性か?! グリーン周辺にOBラインが迫る最終ホールというドラマチックなシチュエーションで待ち構えることが、美らオーチャードGCの“危険&魅力”なのだろう。

もちろん、プレー後の“19番ホール(クラブハウスのバー)”で、仲間と酌み交わす泡盛やビールが“勝利の美酒”になるか“ヤケ酒”になるかは、この最終18番ホールの結果次第なのだ。思い通りの堅実なプレーで18番ホールを迎えれば、アイアンでティーショットを刻み、着実に2オン狙いになるだろうが、一発逆転を狙う人には格好の舞台。1オンを果してイーグルパットをする人の気分を想像すると、胸がザワザワと音を立て、なんとも複雑な気分。

シンガポールのラッフルズホテルや川奈ホテルの瀟洒なバーに、マリンブルー色をしたカクテルが用意されるのは海の色に符合する飲み物で、最後のドラマを堪能した人に相応しい飲み物だからに違いない。

美らオーチャードゴルフ倶楽部

冬でも緑鮮やかな名門コースへ

1970年11月に開場し、2011年に美らオーチャードGCとなり、現在に至っております。かつて男子プロがシーズン最後を締めくくる闘いを繰り広げたチャンピオンコースに挑戦したい、と来場されるお客さまのために、万全のコースメンテナンスを心がけております。冬場は風が強くなるため、難度はあがりますが、1月ともなれば桜が咲き、緑鮮やかなコースで思う存分プレーいただけます。沖縄では真冬がハイシーズンとなりますが、3月は比較的予約も取りやすいようです。

住所:沖縄県国頭郡恩納村字安富祖1577
電話:098-967-8711
アクセス:沖縄自動車道・屋嘉I.C.から約15分、那覇空港から車で約70分
URLhttp://www.churaorchard.co.jp/

moment 2016年 1/2月号より