LEXUS LUXURY HOTEL COLLECTION
ブルガリ ホテル 東京のメインダイニング「イル・リストランテ ニコ・ロミート」で現代イタリア料理の真髄を食す
2023年4月に日本初上陸し、話題の「ブルガリ ホテル 東京」も、LEXUS LUXURY HOTEL COLLECTIONで宿泊予約ができるホテルの一つ。今回は、宿泊してゆっくりと訪れたいメインダイニング「イル・リストランテ ニコ・ロミート」をご紹介します。アブルッツォのミシュラン三ツ星シェフ、ニコ・ロミート氏が監修した伝統的なメニューをコンテンポラリーなテクニックで表現した料理を食せば、まさにイタリアを旅している気持ちになります。
Photo:Akiko Sato
Text:Misa Yamaji(B.EAT)
秘められた入り口を通って辿り着く、鮮やかなサンクチュアリ
2023年4月、イタリアの老舗宝飾店・ブルガリが、世界で8軒目となる「ブルガリ ホテル」を東京に開業し、大きなニュースとなりました。
場所は、東京駅八重洲口直結のミッドタウン八重洲の40階から45階。階下はにぎやかな商業施設が入るビルですが、ホテルの歩行者用入り口は、ビルのサイドにひっそりと設けられた車寄せ脇の小さな扉。にぎやかな外とは対照的な、さりげないたたずまいです。
扉を開けると、そこはブラックウォールに囲まれた静謐な世界。奥のエレベーターでホテルのレセプションフロアまで上がると、モノクロの写真のなかのブルガリを愛した歴代のセレブリティたちが迎えてくれます。
外光が入らない、シックな黒の世界から、開放感のある大きな窓につながる「イル・リストランテ ニコ・ロミート」へと向かうと、目に飛び込むのはブルガリのブランドカラーのひとつでもある“サフランカラー”の鮮やかな世界。昼間はイタリアの輝く陽光を、ディナーの始まりには、ローマの夕景を思わせるような色彩に彩られた開放的で華やかな空間に、これから始まる食事への期待が高まります。
奥の個室には、ブルガリのジュエリーを愛し、メゾンの歴史と深いつながりのある往年の女優や俳優のポートレートが。もし、個室にゲストがいなければ、ブルガリと縁のあるセレブリティたちの面々をぜひチェックをしてみるのもおすすめです。
飾られているのは、1950年代から60年代、イタリアがエンターテイメント産業や芸術の分野で世界的に注目された「Dolce VITA=甘い生活」の時代に活躍した女優や俳優たち。
実はこの時代、ブルガリの本店があるローマで、アメリカの映画会社が映画を制作するようになり、エリザベス・テイラーやオードリー・ヘップバーンなどの大女優がブルガリのジュエリーと恋に落ち、コンドッティ通りのブルガリは社交界の注目を集め、世界にその名を馳せたのです。
ブルガリのゴージャスなジュエリーを身に纏った若かりしエリザベス・テイラーの美しさにうっとりし、アニタ・エクバーグとショーン・コネリー、ジーナ・マーシャルの談笑シーンを見て、なにを話しているのだろう? と思い巡らす。そんなメゾンの歴史と華やかな時代のローマに思いを馳せる時間も、こちらのレストランの楽しみです。
イタリアの三ツ星シェフ、ニコ・ロミート氏が監修する料理とは?
料理を監修するのは、イタリアのアブルッツォ州で2013年以降、ミシュランガイド三ツ星を獲得しつづけている「レアーレ」のシェフ、ニコ・ロミート氏。
2017年、ブルガリとパートナーシップを組み、北京、ドバイ、ロンドン、上海、ミラノ、パリ、ローマそして東京と「ブルガリ ホテル」のメインダイニング「イル・リストランテ ニコ・ロミート」の監修を手がけています。
世界中のブルガリ ホテル内にある「ニコ・ロミート」のユニークかつ、特筆すべきところは、各国どの場所で食事をしても変わらない料理が登場することでしょう。
ニコ氏がブルガリ ホテルのメインダイニングの“理想の料理”を考えたときに辿りついたのが、“イタリアの伝統料理を、現代のテクニックで純度を高め、コンテンポラリーな軽やかさに進化させたシンプルな料理”でした。
そして、どの国であろうとそんなニコ氏の料理をブレることなく忠実に表現することをブルガリ ホテルは徹底しています。つまりそれはメゾンとしてのイタリア料理に対する確固たる考えの表明なのです。
メニューには、ヴィテッロ・トンナート(仔牛のツナソース)や、ミラノ風リゾット、ポルペッティなど、イタリアを代表する郷土料理が並びます。ジノリのお皿に盛りつけられて登場する料理は、どれも非常にシンプル。そしてその味わいは、本場イタリアそのもの。まさに一皿目の一口を食べた瞬間に、イタリアを旅している気持ちになるでしょう。
けれんみのない堂々たる王道の料理は、誤解を恐れずに言えば、きらびやかなジュエリーの世界から想像していたイメージがいい意味で裏切られる骨太さもあります。一方、食べ心地は軽やかでクリア。そこにブルガリらしい洗練を感じます。
そんな感想を日本での料理長を務める、マウロ・アロイシオ氏に素直に伝えてみると、「一見シンプルに見える料理ですが、その背景にはたくさんの工程と、緻密な計量、現代の調理器具などを駆使した技術があります。イタリア人の記憶につながる伝統的な味は大切に、食材にフォーカスした軽やかで食べたときに心地よくなる料理を目指しています」とのこと。
例えば、「ポーチドエッグ アスパラガス キャビア ポテトクリーム」という料理は、もともとイタリアでは王道のアスパラガスと卵という組み合わせを、ニコ流にアレンジしたもの。卵の上には、圧力をかけてなめらかに仕上げたじゃがいもの泡を乗せ、現代的に仕上げています。
一方、「リコッタチーズとほうれん草のクリームトルテッリ」は、自家製の手打ちパスタに北海道産のリコッタチーズとソテーしたほうれん草を包んだトルテッリに、セージとバターのソース、パルミジャーノ・レッジャーノというザ・王道の一品。日本の食材を使いながらも、味わいはエミリア・ロマーニャの伝統的なパスタそのものが登場します。
「鱈とトマト ポテトのクリーム」は、イタリア家庭料理の定番、塩漬けタラとトマト、じゃがいもの煮込みをリストランテの料理に昇華した一品。タラに均一に塩味をつけるために、塩水に一晩漬け、トマトやバジルを使い2日間かけてつくる、凝縮したソースを合わせるなど手間と時間をかけて仕上げています。
イタリア国民が親しんできた歴史が育んできた味でありながら、昔にとどまらずに進化した記憶に残る味わい。それこそが「ニコ・ロミート」の魅力だといえるでしょう。その料理からは、イタリア料理に対するブルガリの矜持も感じられます。
レストランのみ体験するのもいいですが、せっかくならばホテルに1泊して楽しむのものおすすめ。ホテルの部屋にチェックインして、ぜひ素敵なドレスに着替えてからレストランで食事を。食後はバーに場所を移して余韻を楽しみ、心地のよい部屋でゆっくりと休めば、パスポートなしでラグジュアリーな“イタリアの休日”を楽しむことができるはずです。
ブルガリ ホテル 東京
「イル・リストランテ ニコ・ロミート」
住所:東京都中央区八重洲2-2-1 ブルガリ ホテル 東京40階
電話番号:03-6262-3333
アクセス:地下駐車場から首都高速 八重洲線に直結
駐車場:宿泊ゲスト用のバレーパーキングのみ
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