Lifestyle

Yokota's Golf Lesson Series
横田英治の『ショートゲームを極める。』VOL.5~状況別アプローチ(3)「ランを出したくないとき」は58度で寄せる~

スコアメイクの重要なカギを握るのがグリーン周り。OK圏内に寄せられるか、長いパーパットを残してしまうのか。そんな状況は18ホールで何度も訪れ、トータルで見ると数打の違いとなるのだ。スコアアップのためには避けて通れない、アプローチショットの確率を上げる極意を横田英治プロに教わっていく。第5回は、”やむを得ず”58度を使う状況を紹介する。

撮影協力/船橋カントリークラブ

グリーンにキャリーさせるのが基本

今回は、セカンドショットをダフったという状況です。エッジまで距離がけっこう残ってしまいました。エッジまでは10ヤード、エッジからピンまでは7~8ヤードあります。ただ、ライは問題ありません。

アプローチの前提として、整備が行き届いていて、その後の転がりも計算できるグリーンにキャリーを落下させることをまず考えましょう。
グリーン手前にキャリーさせると、着地点のライや芝の状態次第でバウンドが不規則になり、思うように寄せにくくなってしまうのです。

なので基本的には、①ボールをキャリーさせるグリーンエッジ付近までの距離がどのくらいあるか。②キャリーさせた地点からピンまで距離がどのくらいあるか。この①と②の組み合わせで使用クラブを決めることになります。

この状況では、グリーンにキャリーを落とすとすると、ロフトの立った52度ではランが出てしまい、ピンのそばに止めることは難しい。そこで、スクランブル(緊急事態)で58度の出番となります。

①ボールからグリーンエッジ、②エッジからピン。①と②の距離によって使用クラブを選ぶ
この状況ではランをあまり出したくないので、58度が正解

ボールはロフトが上げてくれる

このケースでは、「キャリーを出さないと」と思って飛びすぎてしまう。あるいは、振り幅が大きくなりすぎてボールコンタクトがしにくくなるといったミスが起こりやすくなります。
ここで注意してほしいのは、52度ではなく58度を選んだ時点で、ボールの高さは確保されているということを、最初に頭で認識することです。自分でボールを上げに行く動作は必要ありません。

ロフトが多い58度を手にした時点で、「ボールを高く上げないと」問題はクリアしている

ロフトが高さを確保してくれているのですから、ボール位置は体のセンターよりも左になることはありません。
ついボールを上げたくて、ボールを左に置いてしまうことでミスが多く出やすくなるので、「アプローチに関してのボール位置は基本的にはセンター、もしくはセンターよりやや右しかない」と覚えておきましょう。
58度でボールを左に置くというのは、例えば「エッジからピンがすごく近く、12~13ヤード飛ばして3~4ヤードのランで止めないといけない」というような、本当にスーパートリッキーな状況です。アマチュアにはまず訪れないと言っていいと思います。

少し球を上げたいので、ほぼセンターにボールを置きます。
フェースは少しだけ開きます。バウンスを少し効かせたいからなのですが、開くといっても若干で、たくさん開く必要はありません。
フェースを開くということは、ボールが右に行く要因になるので、スタンスはオープンにします。

ボール位置はほぼセンター。バンスを効かせるためにフェースを少し開き、そのぶんスタンスをオープンにする

そして、フォローサイドではなくダウン~インパクト、自分から見て体の右サイドの半径を意識して打つ。これでもうダウンブローは確保されます。

右サイドの半径を意識することでダウンブローの軌道になる

打点を先にずらして飛び過ぎを防ぐ

ボールの出球の高さはロフトで確保されています。
クラブが入ってくる角度(入射角)はボール位置で確保されています。
あとは、体の向きの変化でボールの飛び出しだけをコントロールすればいいので、オープンスタンスにしてセットアップができたら、今までと同じようにしっかり胸を動かしながら打ってあげればOKです。

手先で振るのではなく、胸骨を動かすイメージで打つ

アマチュアの方に多い悪い例としては、ボールを左側において、スウィングで上げに行こうとしてしまうこと。そうすると、ボールに対して上下のミス、ダフリやトップが出やすくなってしまうので、必ずボールは体のセンターに置きましょう。

そして、スウィング中に左右への傾きを自分で作らないように、アドレスのポジションをキープしたまま、胸骨をしっかり動かしてください。
このケースはボールをゆっくり飛ばしたいショットなので、胸骨をゆったり動かすことがポイントです。

アドレスで作った上体の角度が変わり、左右に傾くとさまざまなミスの原因になる

横田英治(よこたえいじ)
1971年広島県生まれ。15歳でゴルフを始め、1996年プロテスト合格。これまでに多くのプロ・アマチュアゴルファーにレッスンを行っている。2022年6月1日、東関道・千葉北インターから500メートルという恵まれた立地に会員制ゴルフサロン「クラブハウス」をオープン。レクサスカード会員の皆様が入会の際には入会特典として「クラブハウス オウンネームゴルフボール1ダースをプレゼント。なお、横田プロ自身もレクサスユーザーで、RXを愛用している。

PRESENT

会員制ゴルフサロン「クラブハウス」の体験レッスンを希望される方3名(先着)に、グラファイトデザインのスウィング練習器具「アライメントスティック」2本セット(非売品)をプレゼントします。クラブハウス(TEL043-441-5466 担当・小内氏)までご連絡下さい。

【関連記事】

2024 Summer

レクサスカード会員のためのハイエンドマガジン「moment」のデジタルブック。
ワンランク上のライフスタイルをお届けします。