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太陽と大地の恵み。鹿児島県産オリーブオイルを知っていますか?
桜島を擁する鹿児島市に隣接する日置市は「本土最南端のオリーブ一大生産地」。鹿児島の温暖な気候と豊かな土壌、年々進化する搾油技術によって作られるオリーブオイルは、“フレッシュジュースのような新鮮さ”と世界的にも評価されている。しかし日置市で本格的なオリーブ栽培が始まったのは、わずか10年と少し前。そこには逆境を跳ねのけてきた挑戦があった。そんな産地が生み出す「鹿児島ブレンドオリーブ」の秘密に迫った。
Text:Yusuke Kusui
Edit:Misa Yamaji(B.EAT)
素材の味わいを引き立てる極上のオリーブオイル
まるで青いバナナのような爽やかさとほんのりとした苦み、そしてフルーティーな甘みを感じるエキストラバージンオリーブオイルがある。
鹿児島県・日置市で作られた「鹿児島オリーブ」の鹿児島産オリーブオイルだ。

逆境から始まった鹿児島オリーブプロジェクト
鹿児島県でオリーブオイルの生産がされている、ということはまだあまり知られていないかもしれない。
日置市におけるオリーブ栽培のきっかけは、2012年、大手半導体工場の撤退という地域の危機だった。地域活性化のための新産業への挑戦として始まった。

実は鹿児島県には、過去にオリーブ栽培を断念した歴史もある。
明治41年(1908年)に政府が鹿児島県と三重県、そして香川県にオリーブ栽培を命じたが、その中で生育が見られたのが香川県のみだった。それ以来、日本におけるオリーブの生産地といえば小豆島をはじめとした香川県で、その生産量は現在でも87.5%(令和3年度産)ほどを占める。
鹿児島県や三重県は温暖な気候ではあるものの、台風の通り道であるなどの多雨が影響し、当時の技術力では栽培が難しかったのだ。
そんな逆境の中から始まったプロジェクトだが、1,000種類ほどもあるオリーブの品種の中から、忍耐強く気候風土に合うものを探していった。その過程でスペイン原産のピクアル種やアルベキーナ種などが鹿児島のような多雨な環境でも育つことを発見。
以降、本格的なオリーブ栽培が加速した。

「鹿児島オリーブ」代表の水流一水氏によれば、オリーブ栽培を通じて従来のセオリーどおりではない興味深いことがわかってきたのだという。
例えば、雨が少ないスペインでは、これらの品種は辛味や苦み、えぐみがしっかりと実の中に凝縮されているが、多雨である鹿児島で育てると、マイルドで爽やかでフルーティーな香りが立つオイルになるのだ。
こだわりの中で生まれた鹿児島ならではのオリーブオイル
オリーブオイルは酸化によって味わいが劣化してしまうが、「鹿児島オリーブ」では収穫後24時間以内に搾油するなど搾油技術の革新も続けている。更に、オリーブの実が持つ本来の個性と香りを余すことなくオイルに閉じ込めるため、あえて完熟前の「早摘み」にこだわる。現在、鹿児島は国内最速級の収穫・搾油体制を築き上げており、この革新的な技術が、ほかでは味わえない上質なオリーブオイルを生み出している。

現在、純鹿児島県産100%のオリーブオイルは収穫量もわずかで、作られる本数も限られている。そこで、スペイン産のオリーブオイルとブレンドし、鹿児島県産オリーブオイルの風味と味わいの特徴がよくわかる「鹿児島ブレンドオリーブ」を誕生させた。

ブレンドするスペイン産のオリーブオイルは、早摘みの鹿児島県産に対し、黒く完熟したオリーブから搾ったものを使用。完熟オリーブから搾られたオイルはマイルドでクセのない味わいになる。そのため、鹿児島県産のオリーブオイルの風味を損なうことなく、引き立ててくれるのだ。
「鹿児島ブレンドオリーブ」は、冷たい料理に使うと鹿児島県産のオリーブオイルの風味が引き立ち、熱を加えるとスペイン産の風味がでてくるという。
鹿児島ならではの鶏刺しやカツオのたたきなども、このオリーブオイルと塩だけで食べると、マスキング効果ですごく香りがよくなるそうだ。
贈り物としてももちろんのこと、ぜひとも自宅でも味わいたいオリーブオイルだ。
今回ご紹介した商品は「鹿児島オリーブ」で販売しています。