
守るべきものの多いエグゼクティブ層にこそ必要な、予防医療最前線。
ステージ0の早期発見で予防医療を追求する。会員制クリニックとは
今、富裕層の間で「会員制クリニック」あるいは「メディカルサロン」といった名称のサービスが浸透しつつあり、話題となっている。着目したいのは、会員になって定期的に診てもらうことで可能となる「治療の前の0次予防」。そのメリットをご紹介しよう。
Text:Shigekazu Ohno(lefthands)
人生100年時代を、健康に楽しく生きるために
トップに立つ忙しいエグゼクティブほど、ついおろそかになってしまうのが自身の健康管理だろう。あるいは、実務は人に任せているから、時間は取れるという役員職であっても、人間ドックのせわしなさや、混雑した病院での長い待ち時間には辟易しているという人も少なくないはず。
そうした人たちの間で、今浸透しつつあるのが「会員制クリニック」あるいは「メディカルサロン」といった名称で呼ばれる、エクスクルーシブな医療サービスだ。
会員になると、たいていの場合、まずはプライバシーを尊重した上質な空間での先進医療機器を用いた人間ドックの検診と、綿密な個別カウンセリングから始まり、以降、年に一度のがん検診と人間ドックを受けられるように。データが蓄積されるほどに、より精度の高い対応が可能となるわけだから、まさに理想のホームドクターといった具合だ。


日常のちょっとした健康相談には、看護師や保健師などの資格を持つスタッフが即座に対応。万一の病気の際も「どの病院のどの科にかかればいいのか?」といった相談に始まり、外来予約の手配まで任せることができる。その際も、独自のネットワークを駆使し、有名大学病院や専門の医療施設など、通常ではアクセスしにくい手配にも取り組む点が、特筆に値するだろう。クリニックによっては、専属の“気心の知れた”看護師が、病院に同行してくれるサービスも。

診療後も、気になることがあれば、複数医師のチェックによるセカンドオピニオンを得ることも。その高い安心感から、実際に会員になった人からの口コミで、会員数を増やしている実態があるという。
クルマも、定期点検としての車検によって不具合や故障を早期、あるいは事前に見つけだし、部品交換やメンテナンスによって、長く快適に乗られるようにするもの。こうした会員制医療サービスは、年に一度の人間ドックに加えて、個別カウンセリングとしての日々の医療相談にも応じてもらえるのだから、より信頼できるものといえるだろう。
そしてもしもの場合、クルマだったら部品交換ができたとしても、人間のからだはそうはいかない。会員制のエクスクルーシブなサービスゆえに安価なものではないが、「人生100年時代」を標榜するならば、そして責任ある地位にある人、あるいは家族のことを大切に思う人であれば、会員になって定期的に診てもらうことによって可能となる「治療の前の0次予防」について、考えてみてはいかがだろうか。