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あの人に贈りたい、308年の歴史が育む至高の手延べ素麺「三輪山本」

奈良県・三輪で千年以上受け継がれてきた手延べ素麺。土地の風土と職人の技が育てた日本独特の美しい白い麺は、長い歴史の中で三輪から各地に広がった。お中元にも喜ばれる素麺は、今も日本の夏の風物詩にはかかせない食文化だろう。三輪にはさまざまな素麺メーカーがあるが、老舗・三輪山本が手がける素麺には、308年の歴史の中で培われてきた素材へのこだわりと職人の技がある。

Text&Edit:Misa Yamaji(B.EAT)

神話から生まれ、街道に育まれた手延べ素麺

素麺の名産地、奈良県桜井市・三輪。ここは日本最古の神社といわれる大神神社を中心に、古くから信仰と文化が息づく地である。
素麺の起源には諸説あるが、この大神神社に伝わる神話に、素麺の原型とされる食の記録がある。8世紀の飢饉の折、大神神社の神主・穀主が民の救済を祈願した際、神の啓示を受けて小麦を挽き、棒状に練って乾燥させた保存食「索餅(さくべい)」を授けたという伝承だ。

のどかな田畑が広がる盆地、奈良県三輪エリア。

やがて江戸時代に入り、お伊勢参りが盛んになると、三輪の素麺は参拝の途中に立ち寄る旅人たちの間で評判となった。その手延べの技術は、三輪から播州、小豆島、島原などへと伝わり、各地で独自の発展を遂げていった。
今も三輪の地では、変わらぬ製法で素麺作りが行われている。

三輪で三百年以上素麺作りをしている三輪山本

ショップと食事どころもある三輪山本。

そんな三輪で1717年に創業したのが、三輪山本だ。
同社が目指すのは、細さの中に奥行きのある味を持つ素麺。その実現のため、独自に開発したオリジナルの小麦粉を使用。品種、挽き方、ブレンド比率まで細かく調整し、香りや自然な味わいがしっかりと感じられるよう設計されている。この粉は、熟成させた際にも味のバランスが崩れにくく、麺の芯までうまみを宿す三輪山本の味の土台だ。

三輪山本が使用するこだわりの小麦粉。

製麺の工程では、職人がその日の温度や湿度に応じて原料の配合を微調整し、何度も延ばしと熟成を繰り返す。こうして細くしなやかでありながら、コシがあり、茹で伸びしにくい素麺に仕上がっていく。
同社の標準的な素麺の細さは約0.9mm。これはJAS規格で定められる1.3mm未満を大きく下回る繊細さであり、涼やかな喉越しを生む理由でもある。

限界に挑戦した、極細の美学

手延べ素麺の機械。

三輪山本では、標準よりもさらに細い素麺も展開している。例えば「白龍」は約0.6mmという細さだ。

細い麺は、製麺工程が長く、麺が切れないよう細心の注意を払う必要がある。空気中の湿度や温度のわずかな変化にも影響を受けるため、工程管理には高度な技が求められる。まさに一筋一筋が長年の経験によって成立する繊細な製品なのだ。
そんな三輪山本の素麺の中から、今夏、贈り物にしたい三つの味を紹介したい。


白龍(はくりゅう)

白龍は、絶妙なコシと喉越しを追求して誕生した素麺。茹で時間は約60秒。一束ずつ箱に収められている。

約0.6mmの極細麺。口あたりは絹のようになめらか。1年熟成ならではのうまみや風味も十分に楽しめる。冷やして食べることで、繊細な喉越しが際立つ。佐藤可士和氏が手がけたパッケージは、現代的で洗練された印象。贈り物にもふさわしいたたずまいだ。


糸依プレミアム 2年熟成

約0.9mmの太さの糸依プレミアム 2年熟成は茹で時間約90秒。

熟成年数の長さから生産数も限られる素麺。噛んだときのしなやかな弾力と、小麦のうまみが深く残る。茹で伸びしにくく、最後まで食感が持続する。希少な素麺なので節目の贈答にもふさわしい。


華三彩(はなさんさい)

プレーン、梅、柚子、抹茶4種類が入る華やかなセット。

梅・柚子・抹茶を練り込んだ三色の麺。主食として食べるのはもちろん、椀種や、冷やし鉢のあしらいなどにも活躍する。小さいサイズなので手土産にするにもぴったりだ。


今回ご紹介した「三輪山本」については、以下リンクよりご購入いただけます。


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