Lifestyle

Winter 2025号 掲載記事

日本が誇る食を支える職人たち
生産者とシェフの美味リレー

兵庫田中畜産「神戸牛」×「エステール」小島景シェフ

料理人に刺激をもたらす素晴らしい生産者とそれを活かす料理人の関係を2回に分けて紹介する企画、第二弾としてご紹介するのは丹波篠山で数々の賞に輝く神戸牛をつくっている「兵庫田中畜産」と、その牛肉に惚れ込んだ「パレスホテル東京」内フランス料理「エステール」料理長の小島景氏だ。日本が誇る最高の“神戸牛”に惚れ込んだ小島氏の特別なイベントをレクサスカード会員さまに向けて特別に開催予定。その情報もページ後半で紹介しているのでお見逃しなく。

Photo:Tadahiko Nagata
Edit&Text:Misa Yamaji(B.EAT)

日本の希少な純血種の黒毛和牛
但馬牛から「神戸牛」が生まれる

日本全国に、黒毛和牛の銘柄牛は数多あれど、世界中で一番認知されているブランド牛は「神戸牛」といって過言ではないだろう。しかし、その「神戸牛」の正しい定義を知っている人は、そう多くないかもしれない。

そもそも「神戸牛」として生まれてくる牛はいない。元になる牛は、日本三大和牛のひとつ但馬牛。
その但馬牛が出荷の際に、神戸肉流通推進協議会にて定義された検査を受け、A4の6以上の肉であることなど“日本一厳しい”といわれている規定をクリアして初めて「神戸牛」と名乗ることを許されるのだ。

質のよい「神戸牛」の生産者で今、注目されているのが兵庫田中畜産の田中久工氏だ。田中氏が肥育した但馬牛は、神戸牛の品評会で名誉賞を受賞したり、兵庫県大会で三年連続チャンピオンに輝いたりと多くの実績を残している。そんな田中氏は、神戸牛となる但馬牛こそ、日本が誇る希少な在来種の黒毛和牛だと教えてくれた。

「日本全国に黒毛和牛は約170ブランドあります。県外から仔牛を買ってきて肥育するところも多く、種が混じり合っていることがほとんどです。但馬牛は、日本では唯一といっていい純血種でしょう。1300年前には存在していたと古い書物に記載されています。険しい山に囲まれた但馬の土地では、牛はもともと農耕用に飼われていました。牛の交配のために峠を越える必要もなく、この地で繁殖が繰り返されてきたため純血種が守られてきたのです。その牛が食用となり、明治時代に外国人が食べて、“美味しい”と評判になったと聞いています。明治30年代には牛の戸籍台帳が整備され、閉鎖育種によって現在まで種が受け継がれています」。

10月末の品評会に出した但馬牛。「いい肉になる牛は、毛艶、皮膚の状態、顔つきでわかります」と田中氏。

但馬牛はほかの黒毛和牛に比べ平均700kgと小さい。これは狭い山間部の労働力として活躍していた牛だったため、大きくなる必要がなかったからだ。そのため、皮下脂肪や内臓脂肪が少なく、良質な筋繊維を持つ。肉質がよく、脂の融点は20-25度と低い。さらに肉のうまみが濃いのが特徴だ。

広々とし、清潔な牛舎。田中畜産では約400頭の牛を育てている。
麦、とうもろこし、大豆、ふすま、乳酸菌などを混ぜた飼料。
二代目社長・田中久工氏。
生まれてから出荷まで約30カ月~35カ月
できるかぎり最高の環境で育てる

そんなポテンシャルの高い牛を、どう肥育して、質のよい「神戸牛」にするのかが農家の腕の見せどころ。田中氏の場合、肉の味を決めるのは「餌、交配、環境」だと話す。「うちでは、抗生物質の投与はせず、20年前くらいから、餌は極力減農薬、無農薬の穀物系飼料を独自に配合して与えています。人間が口にするものを作ると考えればおのずとそうなりますよね」とのこと。“なるべく化学的なものを与えず、自然由来のもので育てることで健やかな肉になる”という考えから。水も、敷地内から汲み上げる良質な地下水を与えるという徹底ぶりだ。

さらに、肉の味のよさを決める重要な要素として交配があるという。だからこそ、田中氏は自家繁殖にこだわる。繁殖から肥育までを手がけると仕事量が膨大になるが、それでも自家繁殖をするのは、自分がよいと思う肉質のイメージに近づくからだ。そうやって自家繁殖させた仔牛は、のびのびとした環境で大切に育てられる。「よい肉質にするには、ストレスを与えないことも大切なんです」と田中氏が語るとおり、新しく作った繁殖用の牛舎には、夏の高温対策にミストとファンが備え付けられ、冬は床暖房が取り付けられている。そんな牛舎では、生まれたばかりの仔牛とその母牛が、気持ちよさそうに寄り添っている姿が見られた。成牛の牛舎も常に清潔に保たれているのだろう。臭いがまったくしないことに驚く。

「牛飼いに必要な力は、第五感以上で観察し、牛たちの少しの変化に気が付くこと。ここにいる牛たちには最高の肉になるための最高の環境を用意したい」と牛を撫でながら話す田中氏。極上の「神戸牛」は、30カ月以上におよぶ丁寧な仕事の積み重ねがあって初めて誕生する。数百年受け継いできた伝統は、革新とともに今世界中を魅了している。

仔牛が生まれてから2週間は親子一緒に育てる。
2023年にできた繁殖用の新しい牛舎。生まれたばかりの仔牛はしばらく母牛とともにここで過ごし、母乳で育てられる。
牛舎には高温対策でミストとファンを完備。どんなに暑くても室温が30度以下になる優れた設備。
敷地内から汲む湧水。
【5組10名さま限定】
レクサスカード会員さま限定
プレミアムダイニングイベント&ご宿泊のご案内

パレスホテル東京 フランス料理「エステール」(ミシュランガイド東京2025一つ星掲載店)にて、
牛肉の生産者、兵庫田中畜産の田中久工氏をお招きし、小島シェフによる
スペシャルディナーとご宿泊をセットにした限定イベントをご用意しました。

田中久工氏の希少な神戸牛を味わう特別な食事会を開催

フランス料理「エステール」料理長、小島景氏も惚れ込む、兵庫田中畜産の神戸牛。「田中さんの肉は、脂がすっきりとしていくらでも食べられます。こうした日本が誇る食材はぜひ多くの人に食べてもらいたい」とその品質に太鼓判を押す。今回特別に、レクサスカード会員さまだけに、パレスホテル東京に宿泊し、同店で田中氏の神戸牛を楽しむ特別プランが登場した。しっとりと火入れをしたサーロインは、脂がすっと切れたあとにベルベットのようなきめ細やかな肉が口に溶けていく。頭数が少ない田中氏の神戸牛は限られた店でしか味わえない。是非、この特別な機会をご利用ください。

レクサスカード会員さま限定

プレミアムダイニングイベント&ご宿泊
左:シェフの小島景氏。
中央:この日使用するサーロイン(イメージ)。きめ細やかな肉質。
右:客室、デラックスツイン with バルコニー。

[ディナー]
2025年3月7日(金) 18時30分~
パレスホテル東京 フランス料理 「エステール」 個室

[宿泊]
2025年3月7日(金)~3月8日(土)
パレスホテル東京 デラックスツイン with バルコニー(45㎡)

[料金]
148,000円*(1名さま)

[申込期限]
2025年2月7日(金) 先着順

*上記料金は、1泊2食付き(ディナー時のシャンパンまたは、ノンアルコール飲料1杯込み)、1室2名さまご利用時の1名さま料金です。(税・サ込み・東京都宿泊税抜き)
*ひとり部屋追加料金:90,000円

パレスホテル東京

住所:東京都千代田区丸の内1-1-1
アクセス:駐車場をご利用のお客さまは、永代通りまたは内堀通りよりお入りください。
駐車場:あり


【向井酒造「伊根満開」×「都季」浅野哲也シェフ】の記事はこちらから

ご予約・ご相談はトヨタファイナンス トラベルデスクへ
電話番号:0800-700-8160(9時~17時/日祝・年末年始除く)

[レクサスカード宿泊ポイントご利用サービス]

【期間限定】ポイントご利用レートアップキャンペーン

期間
2025年3月31日(月)チェックイン分まで

通常1ポイント=0.5円でご利用いただけるところ、期間限定で1ポイント=1.0円換算でご利用いただけます。

5,000ポイント以上から1,000ポイント単位でご利用可能です。

【ポイント利用の上限】

ご予約時点での宿泊代金半額分(50%)まで

「ご利用感謝サービス」ステージ4・5の会員さまは、宿泊代金全額分までポイントをご利用いただけます。

【ご注意事項】
※ご予約済みのご宿泊分については、本キャンペーンの適用ができない場合がございます。
※レクサスカード特約店は、本キャンペーンの対象外となります。
※本キャンペーンは、予告なく終了する場合がございます。
※キャンペーン期間終了後も、同様のキャンペーンを実施する場合がございます。

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