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イタリアも驚いた!福岡発「リッツウェル」の“家具づくりライブ”
そうそうたる名門が軒を連ねるイタリアの国際家具見本市で、ひときわ来場者の注目を浴びた日本ブランドがありました。その名は「リッツウェル」。ブランド創業30周年を迎え、自らの本質である「日本のものづくり」を再表明すべく行ったのは、職人たちによる家具製作のデモンストレーション。その繊細さに、世界の目利きバイヤーたちも唸りました。
Text:Hiromitsu Kosone
世界の一流が集う「ミラノサローネ」で、一目置かれる日本ブランド
毎年イタリアで開催される、「ミラノサローネ国際家具見本市」という展示会をご存じでしょうか? 誰もが知る名門から新進気鋭ブランドまで、世界各国のインテリアが集結し、作品を紹介する一大イベントです。
日本からも多くの企業が参加していますが、中でも特別な存在といえるのが福岡を拠点とする高級家具ブランド「リッツウェル」。その理由は、世界に冠たる超一流企業が軒を連ねるエリア「HALL5」に、アジアで唯一出展を許されているから。これは開催国であるイタリアにおいても衝撃的な事実なのだそうです。国際的なデザイン賞で数々の賞を受賞してきた実績、そして日本ならではの感性と技が評価され、この快挙を実現しました。
コロナ禍により2年にわたって開催が中断されてきたミラノサローネですが、2022年に待望の再開。奇しくも第60回目の大会、そしてリッツウェルにとっては創業30周年という節目のタイミングでした。この記念すべき舞台で同社が試みたユニークな展示が、世界のバイヤーたちから大注目を集めることになります。
さまざまな家具が展示されたブースの一角で行われたのは、リッツウェルで働く職人たちによる“家具づくりライブ”。ブランド30周年のアニバーサリーシリーズとして誕生した、「HAND STITCH」の実演を行い、大きな話題となりました。
繊細なレザーに一針一針、丹精込めてステッチを施していく職人たちの手仕事。一脚の椅子が完成するまでに費やされる手間ひまがありありと想像できるプレゼンテーションは、まさに「日本のものづくり」を象徴するものでした。
数々の賞に輝いた造形美にも注目
クラフツマンシップもさることながら、造形の美しさも高く評価されるリッツウェル。代表取締役であり、家具のメインデザイナーも務める宮本晋作さんは、日本とイタリアで修業を積んだ人物。それだけに、日本の職人技をインターナショナルなデザインのなかで表現する手腕にも優れています。
リッツウェルが標榜するスローガンは「愛着を記憶する家具」。使う人の心身に寄り添い、時を経るごとに唯一無二の魅力が深まっていく家具づくりを志しています。
一見シンプルでいて、ステッチ一針、細かな仕上げひとつにまで心血を注ぎ、ひたむきなものづくりを続ける。 “いいものを長く使いたい”というムードが高まる今、改めて注目したいブランドです。
【DATA】
リッツウェル 表参道ショップ & アトリエ
東京都港区北青山3-4-3 ののあおやま1F
電話番号:03-3423-2929
営業時間:11時~19時
定休日:水曜(水曜が祝日の場合、前日の火曜休み)
URL:https://ritzwell.com/