ゲームを超えたレーシングシミュレーター
「グランツーリスモ」開発者インタビュー
ゲームとモータースポーツをシンクロさせ、クルマの楽しみを広げてくれる唯一無二の存在の魅力【プレゼント付き記事】
レーシングゲームの世界の頂点に立つ「グランツーリスモ」シリーズは、1997年のデビュー以来、累計販売数1億本超え。歴代のLEXUSもレーシングカーとして登場している。ゲームを極めた者が本物のレーシングドライバーとなり、その物語が映画化されたことでも注目を集めている。今回は開発者、山内一典氏へのスペシャルインタビューが実現。ゲームとモータースポーツをシンクロさせ、クルマの楽しみを広げてくれる唯一無二の存在の魅力と可能性に迫る。
Text:Shigekazu Ohno(lefthands)
「グランツーリスモ」とは
「グランツーリスモ」は、実在する名車を精緻にしてリアルなグラフィックとして再現し、運転する歓びそのものが体験できるPlayStation(R)用ゲームとして、世界的な人気を誇る。車両の挙動や音、路面状況まで徹底的につくり込んだ完成度の高さから、ゲームを超えたドライビングシミュレーターとして評価されている。
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デビューは1997年。開発者、山内一典氏が率いるポリフォニー・デジタルは、LEXUSとも開発思想や走りの哲学を共有するパートナーとして深い関わりをもつことで、デジタル空間における“人とクルマの対話”を高度な次元で表現。世代更新のたびに、ハンドルを握る感覚やクルマへの理解を改めて呼び覚ましてくれる唯一無二の存在としての評価を高めている。
また2023年には、ゲーマーから本物のレーシングドライバーになった人物の物語が映画「グランツーリスモ」として公開され、世界中で大ヒット。eスポーツの人気の高まりも追い風に、既存のゲームファンにとどまらない、より広範な層に対する認知を上げている。
ここからは、開発者である山内一典氏へのインタビューをとおして「グランツーリスモ」の魅力をひも解いていこう。
プレイヤーにもっとも伝えたい「体験」や「価値」とは
山内:クルマをからだの延長として操る実感です。1,000馬力で加速することは人間のからだにはできませんが、脳はそれに対応できます。またゲームの中では、クルマが走る場所、地球がもっている景観や、自然の移ろいの美しさも伝えていきたいと願っています。
バージョンアップを繰り返しながら、30年近くも開発・販売が続いている中で、一貫して変えていない思想と、時代とともに変えた部分が何かをお話しいただけますか。
山内:世界の森羅万象を量子化して計算可能な存在にするというのが、シリーズの最初から、そして、今でも変わらずに大事にしているテーゼです。最初の「グランツーリスモ」と比べ、現在の「グランツーリスモ7」の計算能力はおよそ50万倍にまで進化しています。さらに4桁ほどのコンピューティングパワーがあれば、もっと自由な表現が可能となるのですが、その道のりはまだまだ先ですね。今はまだ、その時代にあったコンピューティングパワーに合わせて、さまざまな点においての適切な妥協が必要となっています。
ご自身が「これは成功だった」と感じている決断とは。
山内:成功という実感はないのですが、結果として、愚直なまでにクルマの魅力、楽しさを全方位的に丁寧に表現してこられたこと、そこに利害損得を入れずに理想に向かって邁進してこられたことは、とても幸運だったと思います。
1台のクルマを実装するまでに膨大な工程があるかと思いますが、その中で絶対に妥協しないポイントとは。
山内:先ほど申し上げたとおり、ビデオゲームには絶対的なコンピューティングパワーにまつわる限界が常に存在します。問題は、そのコンピューティングパワーをきちんと効率的に使い切っているかどうか、ということになります。効率を無視したコードやデータ構造でも、動くことは動くのですが、それが最高のパフォーマンスで動くか、というのは別次元の問題です。「今できることはすべて、効率よく使い切った」と思えるかどうかが、自分にとっての「妥協はしていない」と確証をもつためのポイントになります。
リアルのモータースポーツとeスポーツの境界線は、今後どう変化するのでしょうか。
山内:リアルのモータースポーツは、とにかくお金がかかります。これはいかんともしがたい。対して、eスポーツはその数十分の一、数百分の一のコストでの体験と学習ができますから、両者は互いに補完する存在になるでしょう。今のF1を見ていると、すでにそうなっていますね。彼らにとって、リアルとeスポーツの違いはそれほどありません。
ゲーム業界の中で、ポリフォニー・デジタルはどんな立ち位置を目指しているのでしょうか。
山内:実は、ポリフォニー・デジタルがゲーム業界の中にある企業のひとつだ、という自覚をもったことは、これまで一度もありません。クルマの物理、光の物理、生態学や地学など、サイエンス全体を楽しいものとして表現する、という信念を持ちつづけています。これまで28年間も、同じチーム、同じ作品が生きながらえているのは奇跡のようですが、その信念は変わっていないのです。
「グランツーリスモ」からは、すでにゲームという枠を超えて、本物のレーシングドライバーが誕生しています。今、新たに重要視しているチャレンジとは。
山内:クルマとは何か、クルマの魅力とは何か、を考えたときに、今、私たちが実現していることがすべてだとはまったく思っていません。クルマはレースするだけが目的ではない、社会的な存在です。そういった、レースゲームの枠を超えた社会にとっても宝であるクルマという存在を、もっと精緻に表現したいですね。
「グランツーリスモ」が海外でも高く評価されている理由を、どう分析されていますか。
山内:率直に申し上げれば、やはり、実直だからなのだと思います。売れるからこうしよう、というようなことは、あまりやっていません。理想を追求している姿勢が、言語化されないとしても、無意識のうちにユーザーに伝わっているからなのではないかと考えています。
プレイヤーの反応で、印象に残っているものとは。
山内:発売から28年も同じ作品をつくりつづけていることで、今では最初のプレイヤーたちの次の世代となる子どもたちがプレイしています。eスポーツの選手権として、2018年から始めたグランツーリスモ ワールドシリーズでも、来場される方の大半は家族連れのお客さまでした。クルマの楽しさ、ゲームの楽しさが、しっかり次の世代に伝わっていると感じられた嬉しい光景でした。
LEXUSというブランドに、グランツーリスモと共通する思想や美意識を感じる点はありますか。
山内:ハイテクノロジーや洗練といったLEXUSのブランドイメージには、グランツーリスモと共通する点を感じます。そのブランドがともに日本に生まれ、同時に世界で勝負している、という点においても。
印象に残っている、あるいは気に入っているLEXUSの車種はありますか。
山内:私がドイツのニュルブルクリンクで武者修行をしたときに乗ったIS Fです。これは忘れられない思い出となっています。2008年から2016年にかけて、数えきれないくらいニュルブルクリンクに参戦できたのは、振り返ると、LEXUSというブランドがもっている懐の深さ、文化の一端に私が触れることができたからです。ほかの車種としては、やはりLC500ですね。とにかく抜群にかっこいいクルマで、街で見かけると、今でもはっとして目で追ってしまいます。
映画の中で、主人公が「グランツーリスモ」は単なるゲームではなく「レーシングシミュレーター」だといった言葉が印象的でしたが、映画を通して山内様が一番伝えたかったメッセージを教えてください。
山内:私はビデオゲームをプレイすることが、子どもや若者の人生にとってプラスに作用するものになってほしいと常々思ってきました。「グランツーリスモ」も、そういう想いでつくってきたのです。「グランツーリスモ」をプレイすることによって、リアルなクルマのドライビングをリスクなしに学んで、実際の経験に活かすことができますよ、というのは、私から伝えたいメッセージですね。
ル・マン24時間レースに出なくても、ゲームから学べることは普段の日常的なドライビングでも役に立つのです。晴れの日もあれば、雨も雪もある日常での絶対的なコントロール能力というのは、安全運転に直結することなのです。
ゲームの既成概念を超える「グランツーリスモ」
ここまで、開発者である山内氏の貴重な生の声をお伝えしてきた。「ゲームは子どものもの」という偏見はすでに昔のもので、プレイヤーから本物のレーシングドライバーが誕生したり、また本物のレーシングドライバーもシミュレーターとして利用しているといった事実に、驚かされるとともに興味をもたれた方も少なくないのでは。
論より証拠、百聞は一見にしかずという言葉もある。世界の大人たちも夢中にさせる最新版「グランツーリスモ7」では、LC500 ‘17、LFA ‘10、RC F GT3 ‘17といったLEXUSの垂涎のレーシングカー9台でのレース走行を仮想体験することもできる。ぜひ一度、試してみてはいかがだろうか。
グランツーリスモ7
発売元:ソニー・インタラクティブエンタテインメント
フォーマット:PlayStation(R)5 / PlayStation(R)4
ジャンル:リアルドライビングシミュレーター
発売日:好評発売中
価格:
・PS5/PS4 ダウンロード版 販売価格 25周年アニバーサリーデジタルデラックスエディション 10,890円(税込み)
・PS5 パッケージ版 希望小売価格 スタンダードエディション 8,690円(税込み)/ダウンロード版 販売価格 スタンダードエディション 8,690円(税込み)
・PS4 パッケージ版 希望小売価格 スタンダードエディション 7,590円(税込み)/
ダウンロード版 販売価格 スタンダードエディション 7,590円(税込み)
プレイ人数:1~2人(オンライン時:1~20人)
CERO:A(全年齢対象)
※PS5ダウンロード版を購入すると、PS4ダウンロード版も入手することができます。
※PS4版を購入した方は、PS5ダウンロード版を1,100円(税込み)で購入できます。
※PS4パッケージ版をお持ちの方は、PS5ダウンロード版をダウンロードしたりプレイしたりするには、その都度ディスクをPS5本体に挿入する必要があります。PS4パッケージ版をお持ちの方でも、ディスクドライブを搭載していないPS5デジタル・エディションの場合はPS5ダウンロード版を1,100円(税込み)で購入することはできません。
読者プレゼントもご用意しています。
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応募に関するご注意はこちらのページをご確認ください。
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